【ラジョダダ初登頂⑤】 日本出国~カトマンズ~最初の村、ソティコーラまで
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やっとの思いで遠征の許可を取り、出発にこじつけた。いつものことだが、出発する日はその実感が全くない。
ついに僕らはラジョダダへ向かうための荷物を全てパッキングし終えた。一人当たり制限ギリギリの62キロ、3人で200キロ近い荷物をダッフルバックに詰め込んだ。機内持ち込みの小さなザックには、嵩張らずにギッシリと重いモノを詰め込んで重さを胡麻化すのがクライマーの常套手段だ。航空会社の重量制限はギリギリだが、手荷物はチェックが甘い。
未踏峰を登るには、規制ルートを登るのと全く異なり、どの道具をどれだけ使うかという情報が全くない。登るのにかかる日数もおおよそしか予想ができないので、全てのものを最悪の事態に備えて、多めに持っていったのだ。海外へ登山に行くのに立ちはだかる最初の壁が”空港”である。我々の奇妙な大荷物も当然しっかりとチェックされる。今回は通過に2時間ほど掛けさせられたが、何とか少しの追加料金を払うだけで認めてもらえた。
カトマンズに到着し、2015年のアイランドピーク遠征でお世話になったカミさんと再会する。懐かしさが蘇る。異国の地で友人と再会するのは何とも現実であり現実でないような不思議な感じだ。
そして僕らは早速ラジョダダへの挑戦権を得るため、ネパール観光省へと向かった。そう、ここまで準備を散々してきたものの、ラジョダダに登っていいかどうかがそもそも確定していなかったのだ。いくらサポーターのカミさんに「大丈夫」と事前に言われていても正式な書面が交付されていないと怖いものだ。
そこでは小さな部屋に案内してもらい、終始穏やかな雰囲気で面談が進められた。聞かれたことは極めてオーソドックスな内容で、持って行く装備、食糧の量や、どのルートから登るか、遠征のサポートをするエージェントはどこかなどが聞かれた。面談自体は30分程度で、しっかりとした許可を頂き、ホッとする。おそらく宗教的、政治的な理由で登山が禁止されているエリア以外は、厳しい審査がなく許可が下りるのだろう。
ちなみに、ネパールの主要エリアのトレッキングでも許可の取得が義務づけられていることが多く、ガイド無しで自分で許可を取りたい場合はこの建物内で取ることができる。メイン玄関が一般のトレッカー向け窓口で、クライマーや未踏エリア向けの窓口は裏口から入ることができる。また、世界最高峰であるエベレストなどの有名ピークは百万円単位の許可がかかると聞くが、今回のラジョダダは一人2万円ちょっとで済んだ。やはり僻地の誰も知らないピークは需要がないので値段も安いのだろう。
その後は久々のダルバート(ネパール人のエネルギー源となっているカレーのような食べ物)を堪能したり、
相変わらずな雰囲気のカトマンズを探索したりしつつ
スーパーで行動食を買い足したり、
装備を買い足したり、
3日間のカトマンズでの準備期間を過ごした。ちなみにスーパーにはパスタから米、お菓子まで何でも売っている。オススメの行動食は全世界共通の安定度を誇るスニッカーズだ!グローブを着けていても開けやすく、コンパクトなのに高カロリーという何とも考えられたチョコである。我々は100パックほど購入した。
そしていよいよ文明から離れ、ソティコーラという小さな小さな村に向かって泥道、山道をバスでひたすらクネクネと140キロ先を目指した。
【赤ピンがソティコーラ、画面最上部にLajoDadaが載っている、グーグルの5時間なんてネパールの泥道では当てにならない。実際には17時間半を要した。】
チャーターしたはずのバスなのにお構い無しに、次から次へとヒッチハイクの村人を乗せていく。呑気な運転手と、その息子で助手の男の子と、冒険を共にする仲間たちと、テンションを上げるネパリミュージック、いよいよ冒険の始まりだと気持ちも高ぶった。
【ビデオ】バスの中はこんな感じ
予定到着時間は8時間程度だったが、泥道がひどくなり、結局17時間もかかってしまった。これくらいは誤差の範囲内なのか、、、。
上写真:【ネパールの子供にこれから登るラジョダダの地図を見せる】Photo:Kojuro
【上写真、バスがスタックし、ローカルのおばあちゃんに相手をしてもらう】
【泥道がひどくなり、ショベルカーを遥々呼び、道を整備するのに5時間待ち】
//www.youtube.com/embed/GhoDNl30hoY
24時やっとのことでソティコーラに到着した。寝るのに十分なベッドが用意されていてバタンと眠りについたのだった。
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